- 2024.03.16
-
- 成年後見・任意後見
任意後見人の役割とは?
任意後見人とは、本人との間で結んだ任意後見契約に基づいて、本人の財産管理や療養監護に関する事務を行う人です。任意後見人は、本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所の選任した任意後見監督人の監視を受けながら、契約内容に従って本人を支援します。 任意後見人の仕事に関する権限は、本人と結んだ任意後見契約によって決まりますが、大きく分けて、以下の(1)財産管理と(2)身上監護です。
(1)財産管理(本人の財産を管理すること)
財産管理とは、預貯金、有価証券、不動産など本人の財産を管理することです。具体的な財産管理の仕事内容は次のとおりです。
- 自宅等の不動産の管理
- 預貯金、有価証券の管理
- 年金の管理
- 税金や公共料金の支払い
- 社会保障関係の手続き
- 本人が行うべき法律行為(遺産分割協議や賃貸借契約など)
(2)身上監護(本人の生活に関する法律行為を行うこと)
身上監護とは、医療、介護、施設入所に関する契約など、本人の生活に関する法律行為を行うことです。具体的な身上監護の仕事内容は次のとおりです。
- 入院手続き、医療費の支払い
- 生活費の送金
- 要介護認定の申請などの手続き
- 介護サービスの契約手続き
- 施設入所手続き、介護費用の支払い
以上が任意後見人の役割となります。次のコラムでは、本稿とは逆の「任意後見人ができないこと」についてご説明します。