- 2024.03.16
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- 成年後見・任意後見
任意後見契約を途中でやめることはできるのか?
はじめに
任意後見契約を途中で解除することは可能です。解除とは、本人か任意後見人のいずれか、または双方の意思によって自主的に任意後見契約を終了させるというものです。 任意後見契約を解除する場合、解除する時期によりその手続が異なります。
解除の時期と解除の方法
1.任意後見監督人が選任される前(任意後見開始前)
公証人の認証を受けた書面によって、いつでも、どちらからでも解除することができます。合意解除の場合には、合意解除公正証書を作成するか、解除の合意書に公証人の認証を受ければ、すぐに解除の効力が発生します。 これに対し、当事者の一方による解除の場合は、解除の意思表示のなされた書面(解除通知書)に公証人の認証を受け、これを相手方に配達証明付き内容証明郵便で通知することが必要で、通知が相手方に到達した時に解除の効力が発生します。
2.任意後見監督人が選任された後(任意後見開始後)
任意後見監督人が選任された後は、正当な理由があるときに限り、かつ、家庭裁判所の許可を受けて、解除することができます。例えば双方の信頼関係が著しく損なわれた、後見人自身が心身に疾患等を発症した、後見人または本人が遠方に引っ越しせざるを得ず、財産管理や身上監護が困難になった、といった正当な理由が必要となります。
なお、任意後見人について不正な行為等の任務に適しない事由が認められるときは、家庭裁判所は、本人、親族、任意後見監督人の請求により、任意後見人を解任することができることになっています。例えば後見人が契約内容を守らない、本人の財産を横領したといった非違行為があった場合などがそれにあたります。家庭裁判所が解任適当と判断した場合、後見人はその職を解任され、任意後見は終了します。
おわりに
後見開始後の解除には「正当な自由」と「家庭裁判所の許可」が必要であることが大きなポイントです。また、任意後見契約が途中で終了した場合のために、任意後見契約に「(本人の存命中に)後見が終了した場合、法定後見に移行する」旨などをあらかじめ取り決めておくことで空白期間を最小に抑えることも可能になります。