- 2024.08.01
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- 成年後見・任意後見
任意後見契約の変更
任意後見契約の変更については法律に規定がありません
任意後見契約とは本人が十分な判断能力を有する時に、あらかじめ、任意後見人となる方や将来その方に委任する事務(本人の生活、療養看護及び財産管理に関する事務など)の内容を定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人がこれらの事務を本人に代わって行う制度です(『いざという時のために知って安心 成年後見制度 成年後見登記制度』法務省民事局 パンフレット)。昨今、超高齢化社会に突入しているといわれている中で改めて注目されている制度です。
任意後見契約に関する法律は『任意後見契約に関する法律』に規定されておりますが、実は、この法律に任意後見契約の変更についての規定はありません。では、どのような手続きで変更するのでしょうか。
任意後見契約の変更の手続き
1.代理権を行うべき事務の範囲の拡張をする場合
⇒既存の任意後見契約を解除し、新たに拡張した代理権を含めた任意後見契約を締結する。又は既存の任意後見契約を維持して、拡張した代理権のみ付与する任意後見契約の公正証書を作成する。
2.代理権を行うべき事務の範囲の縮減をする場合
⇒既存の任意後見契約を全部解除したうえで、新規の任意後見契約の公正証書を作成する。
3.代理権の行使方法(単独行使・共同行使・本人又は第三者の同意の要否等)を変更する場合
⇒既存の任意後見契約を全部解除したうえで、新規の任意後見契約の公正証書を作成する。
4.代理権を行うべき事務以外の事項(例えば、報酬の額等)を変更する場合
⇒変更契約の公正証書を作成すること。私署証書による変更契約は認められない。
任意後見契約の変更には公正証書の作成が必要
上記のとおり、任意後見契約の変更には公正証書の作成が必要となります。
任意後見契約は、締結から効力の発生まで時間が空くことが通常です。当初の契約を変更したい事情が生じることはよくあるかと思います。任意後見契約の変更についてのご相談は弊所までご連絡ください。
(文責:佐々木)