お知らせ

2024.03.14
  • 家族信託

家族信託の手続きの流れについて

家族信託の手続きのおおまかな流れは次のようになります。

1.家族全員で家族信託の目的を決める

まずは家族がそろった家族会議の中で、家族信託の目的を決めます。親本人がかなえたいこと、実現したい未来は何か、という希望・思いを家族全員で共通認識として持ちます。目的は家庭によってさまざまですが、委託者と受託者になる予定の人だけですべてを決めてしまわず、信託に関係する人を含んだ家族全員で話し合う過程を経ることが、後になって不満が生じトラブルや揉め事に発展させないために大きな意味を持ちます。

2.1の目的を達成するための方法を検討し、契約内容を決めていく

家族で決めた家族信託の目的を達成するための具体的な方策を検討し、誰が、誰に、何のために、何の管理運用を任せるのか、家族信託を終了させる時期、信託財産の将来的な帰属先などを専門家の意見を聞きながら決めます。可能であれば家族会議には、家庭内の疑問や懸念事項に即座に対応できる専門職が同席すると話のスムーズな進行が可能です。

3.家族信託の契約書を作成する

2で話し合って決めた家族信託の内容に基づき家族信託の契約書を作成します。  

信託契約書は私文書で作成することも公正証書で作成することもできます。私文書の場合、信託契約書の原本を紛失した場合に再発行ができません。また、もし契約の内容を否定する利害関係人がいた場合に私文書ですと信託契約の有効性自体を争う事態になりかねませんが、公正証書ですと法的効力を否定することはかなり困難です。さらに、多くの金融機関では公正証書でなければ後述する信託口口座を開設できません。しかし公正証書作成には時間とコストがかかる一方、私文書の場合は自由なタイミングでスピーディに作成できコストも少なく済みます。老親の体調等により緊急性が高い場合には公正証書では間に合わない可能性もあるかと思います。公正証書か私文書かはケースバイケースです。判断は難しいので、専門家にご相談ください。

4.財産の名義を親から子へ移す

1.信託口口座を開設する

現金や預金が信託財産の場合、それらのお金を管理するための専用口座で管理する必要があるため、銀行で信託口口座を開設し、信託財産のお金を入金します。

2.不動産について信託登記手続き(名義変更)をする

信託財産のなかに不動産が含まれている場合は、所有権を親から受託者である子に移転する信託登記を法務局に申請します。登記申請をすると、登記事項証明書に信託目録が追加され、受託者の名前が表示されます。

5.信託による財産管理の開始

受託者が委託者の意向に沿って信託財産を適切に管理・運用していきます。