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2024.03.16
  • 成年後見・任意後見

任意後見制度とは

任意後見制度とは、本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人)を、自ら事前の契約によって決めて公正証書を作成しておいて、実際に本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事務を本人に代わって行う制度です。

任意後見契約においては、任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。ただし、一身専属的な権利(たとえば、結婚、離婚、養子縁組など)については任意後見契約に盛り込むことはできません。

昨今の高齢化社会に伴い、認知症というものは誰しもが抱えるリスクになってきています。若くて元気な時には自分はボケないと思いがちですが、我が国の認知症高齢者は、2012年時点で462万人に達しており、2025年には700万人を突破すると予想されていますから、自分や自分の近しい人が認知症にかかってしまう可能性も十分にありえます。

認知症に罹患してしまうと、自分の財産の管理ができなくなり、いくらお金を持っていても、自分ではお金が使えない事態になります。また、病院等で医師の治療等を受けようとしても、医師や病院と医療・入院契約を締結することができず、治療等を受けられなくなるおそれもあります。そのような最悪の状態を回避するために、自分の信頼できる人と任意後見契約を結んで頼んでおけば、安心して老後を迎えることができるのではないでしょうか。

実際に認知症等で判断能力が低下した場合には、法定成年後見の制度により裁判所に後見人を選任してもらうこともできます。しかし、裁判所が後見開始の審判をするためには、一定の者(配偶者や親族等)の請求が必要です。また、法定後見では、本人は、裁判所が選任する後見人と面識がないこともありえます。

自分が信頼する人に確実に後見人になってもらうためには、任意後見契約を締結することが必要になるのです。